あらすじ
32歳の知的障害を持つ青年、チャーリイ・ゴードンはIQは68で、パン屋で働きながら夜間学校に通って文字の読み書きを学んでいる。彼は「頭がよくなりたい」と強く願っており、勉強にも熱心に取り組んでいた。その高いモチベーションが研究者たちの目に留まり、知能を高める手術を受けることになった。この手術は、すでに実験動物の白ネズミ「アルジャーノン」で成功を収めており、人間への応用はチャーリイが初のケース。手術後、チャーリイの知能は急激に上昇し、彼の願っていた通り「頭がよくなった」のだった。しかし、知能の急激な上昇に対して感情の成長は追い付かず、それに伴って様々な問題に直面する。さらにアルジャーノンは徐々に異常行動が見られ、その後急激に知能が低下し、死んでしまった。それを見たチャーリイは自分の運命を悟るのであった。
感想
この作品はアメリカの作家、ダニエル・キイスによって書かれたものです。物語は主人公のチャーリイ自身が書く、経過報告より展開されていきます。はじめは幼児が書いたような拙い文章ですが、手術後の知能の変化に伴い、チャーリイの書く文章は巧みで高度な文章へと変化していきます。IQの差が大きすぎる人とはコミュニケーションがとりづらいと聞いたことがありますが、この文章の変化はそのことを実感させてくれました。また、チャーリイは知能が上がると幸福になれると思っていましたが、現実は反していて、今まで自分が受けていた不当な扱いや過去、人間の醜さなどについて考えれば考えるほど孤独感がまし、決して幸福とは言えないような状態になってしまいます。定められた運命を科学の力を使って捻じ曲げることはあってはならないことなのかもしれないと考えさせられました。物語が終盤になっていくにつれ鳥肌が止まりませんでした。この鳥肌は単に感動からきたというにはあまりにも不十分であると思います。しかし、間違いなく感動すると思います。素晴らしい作品ですのでぜひ一度手に取ってみてください。



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